2011年06月01日

芽吹くものに

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これが、”ワレモコウ”
あっちが、”ちぢみほうれん草”
で、それが ”スナップえんどう” ね。

ああ、これは ”しどけ” ね。

山菜や自慢の畑になる野菜や花を紹介してくれる、阿部秋子さん。
昔から知っているような気にさせてくれる、元気で親しみあふれるそんなお母さんだ。

ネットや本で勉強し、いろいろな野菜や花を育てている。

ここは、岩手県山田町、大浦の小谷鳥地区。

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青々と元気な姿をみせるこの畑にも津波は押し寄せた。畑は海水につかり、瓦礫が散乱。阿部さんは有志の方々と一緒に日々こつこつ片付け、今ではずいぶんときれいになった。

自宅前には太平洋が広がる。海辺からは数百メートルといった距離。なだらかな傾斜の先にたつ家は一階の天井まで浸水した。

阿部さん自身は当時、車で逃げようとした時、津波にさらわれたが、幸運なことに乗った車が畑の横にある木の間に挟まり助かったのだ。

「この木はね、命を助けてくれた、御神木なのよ。」

そう、阿部さんは教えてくれた。

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この日は、レスキュー隊任務を終え、岩手山田町での滞在最後の日。

畑を頑張っている、元気なお母さんがいると聞き、阿部さんを訪ねたのである。

阿部さんとはこの日が初対面だが、いろんな事をお話してくれた。

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畑の話。

海の話。

家族の話。

むかしの話。

人との出会いは、不思議なものだな、という話。

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一緒に海辺を散歩。

歩いていると、力強く、青くのびる草木をみかけることができた。

ところどころに芽吹く小さな命も。

「芽吹くものにカメラをむけてあげてね。」

と、阿部さん。そのアドバイスはとても素直に聞き入れることができた。

あたり一面は土色一色。しかし、そこに色づくもの、芽吹くもの。
それを見つけては、やさしい眼差しでみつめる阿部さんの表情が印象的だった。

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朝からおじゃまして、気がつくともう夕方になっていた。

何気ない時間も経つのはあっという間だ。

「みなさんも連れて、また、遊びにきてね。」

はい、必ず来ますね。

そう約束して阿部さん宅を、山田町をあとにした。

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芽吹くものに、これからが良い季節です。

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先日、阿部さんよりうれしいメールが届いた。

”木々の芽吹きの風景にも音を感じる季節です。我が家に新しい家族ができました。”

3月生まれの、げんきくん。

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そして、御神木にも芽が生えましたよ、と。
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畑もこんな感じに元気に育っています。
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posted by seo at 08:48| 東日本大震災関連