芽吹くものに、再び (前半)、より続く

多くの人がそうであるように、旅にでると不思議なもので朝はいつも早く起きてしまう。今朝もそうだった。
阿部さん家から歩いて、海辺まで歩く。
漁師の人たちの姿もぽろぽろ見える。
漁師さんは毎朝、海をみにくるのだという。
何か 深い ものがあるのかといろんな想像をしたが、それは昔からの日課だという。海の状態をみるという、漁にでていた時からの日課。
海をみると落ち着くのだという。

瓦礫は撤去されて、きれいになりつつある海辺。
それでも、まだあの時の時間がいまでもところどころ残っている。

あの時間を知らない、元気くん。
彼は、それでいい。

家に戻ると、
タナカトウコ教授と阿部さんが朝食の準備をしてくれていた。
いいにおいだ、うれしくなる。

朝食を食べ終え、山田の海を観にいった。オランダ島。ここの周りの海の色はマリンブルー。以前、
レスキュー隊で一緒だった、
佐々木さん(沖縄在住)もここの海は沖縄のようだといったくらいだ。

※山田湾を見守る荒神神社その後、吉里吉里町という町にいった。山田町のお隣さんだ。

ここ出身のミュージシャン、
ノリシゲさんは震災後、東京から地元に戻ってきた。家族とともに。そして今、全壊した実家の跡地に手作りのバーをオープンさせるため、少しづつ準備をはじめていた(※先日無事にオープンしたばかり)《
吉里吉里元気プロジェクト》
午後は
コンサートの集いに参加してくれる。

そして、僕らは漁村センター向かった。

ここで少しでも、みんなに楽しんでもらえれば、そういう想いはみな一緒だ。




阿部さんも、心待ちにしていた、読み聞かせ。
今回は、はじめて音楽と一緒に語る。



吉田ユウスケ&岡 優太郎


「歩きましょう」RIA & ノリシゲ


あっという間の時間。春に出会って、秋にまた。
次は、冬に会いましょう、阿部さん。

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大勢泊めていただきお世話になりました。
秋子さんやご友人がたと飲んだり演じたりを通じて、
人となりと感性に触れた2日間。
津波の体験談から、心あたたまる友情エピソードまで、
想像の翼がまた少し鍛えられたように思います。
ありがとうございました。
秋子さん、また予定たてましょう!
島本直尚
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お世話になりましてありがとうございました。
阿部さんの貴重な体験談と読み聞かせ、
心の深いところにしみました。
こっそりと私だけに教えてくださった
阿部さんの作戦も影ながら応援しています!!
タナカトウコ
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阿部さんへ
阿部さんが明るく地震の事をはなしてくれたおかげで、モヤモヤしていた頭が整理されて力が湧いてきました。本当にありがとうございました。
恐ろしく、悲しく、とてつもなく美しい朝の海岸を散歩しながら、ふとここにあるものを使って音を出したいと思い、拾い集めた石は今も大事に使ってます。流木は居間にかざってます。
吉田ユウスケ
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阿部さん、先日は大変お世話になりました。
始めて山田町に伺い各地を見てまわり
あまりの被害規模の大きさに現実を受け止めきれませんでした。
雑草の力は強く、半年間に景色を変えてしまったようで、
震災直後の風景は想像できず、
もっと早く来るべきだった、という気持と
いや、半年経ってからで良かった、という気持が
自分の中でぐるぐると回ったことが印象的でした。
実際お聞きした津波の体験は生々しかったのですが
なぜか阿部さんの語りだと明るく、
「なんとかなるもんなんだな」と安心すらしたものです。
被災地から遠く離れたところから演奏をしに行って
阿部さんと共演し、すっかりこちらが元気をもらって帰ってきました。
ありがとうございます。
感謝。
岡 優太郎
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「偶然」に感謝しています。
出会いと、生きていることに。
「自然」に驚いています。
いろいろなことが変わってしまったけど、
変わらないものがたくさんあることに。
「阿部さん」に伝えたいこと、
一緒に、この時を生きていきましょう。
「煮しめ」ごちそうさまでした☆
富岡克朗
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